バレエ学校その4 | Stage You

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2020.01.08

バレエ学校その4

橘バレエ学校その4

そしてその時に仰せつかった仕事の一つに

学校法人の立ち上げというのがあった

その広大な敷地と

稽古場が二つ大きなのがあり

そこをバレエ学校にという

橘先生の意向で

いろんな書類を取り寄せまた

それを役所に提出して

学校法人が取れたのである

バレエをすることで

学校の資格を取れるということは

とてもありがたいことで

たぶんそれは橘バレエ学校が

初めてではないかと思っている

バレエ学校の行事というのは

もちろんバレエだけでなく

課外に実習というものもあった

夏とかになると

井の頭公園の中にプールがあって

そこでお弟子さん達を連れて行って

泳がせるのである

本当に泳がせるわけでなおかつ

小さい子であるから危険が伴うので

私はあまり上手でない水泳というものを

それなりに駆使して

子供たちの泳ぎを

サポートしたものであった

井の頭公園の園プールというのは

地下水でできており

なぜかとても冷たい気がした

3分も入ってられないような

冷たさであった

でもその時間は開放感のある

もちろん仕事とはいえ

泳げるわけだから

楽しい時間でもあった

未だによく覚えている

あとみんなの食事

みんなはバレエ学校にいながら

それぞれその学年に合わせて

学校に通っていた

だから朝は普通通りに早く起きて

学校に行くのである

私は橘先生の用事の合間に

食事の用意をして

みんなを送り出した

そのメンバーは

シャンブルウエストの

川口ゆり子さん

オランダでプリマとして活躍した

清水洋子さんそして沢田加代子さん等

そうそうたるメンバーであった

送り出すと少しほっとする

時間が取れるからである

それで先生の目を盗んで

稽古場に入って

グランプリを始めるんだが

すぐに声がかかって

私はまた橘先生のお部屋に

呼ばれたものである

まあその時2年余りの内弟子生活の中で

あまり稽古をした記憶というのはなかったが

それでも本来バレエに

向いていたのであろうかあまり

稽古しないまま時を過ごした

3月に大学を卒業して

その2月にそこに来て

2月から12月まで

毎月舞台があったので

急速に上達して

バレエ始めて一年も経たずに

主役の王子をいただき

かの有名な武者小路実篤先生の

お孫さんの有希子さんの

パートナーにであり

その後も彼女とはジゼルとか白鳥とかを

踊ることができたという

とても光栄な時代であった

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